設計/内装
内装デザイン
筒井ナイルツ美矢子
「まだどこにもないクリニック」をつくりたい-というのが黒木医院長ご夫妻から私共への最初のご依頼でした。
そこには黒木ご夫妻が長年小児医療のプロフェッショナルとして積み重ねられてきたご経験から、未来を担うこどもたちとそのご家族を多方向からサポートしていく新しい場所を実現したいというお考えがありました。
そして、それは「こどももおとなも安心できる場所」を「本」を通して提供する「図書室のなかの診療室」となりました。
大都会の喧噪から離れ少しほっとする「森のような木漏れ日がさす空間」日常から離れ少し好奇心がくすぐられる「白い不思議な宇宙船のような空間」そして主役はそこにいる「ひと」と「本」 ―そんな「まだどこにもない空間」が実現できたらと思いながらお施主様そしてデザインチームと二人三脚でプロジェクトを進めていきました。
世界観をより実現するため照明、音響、グラフィックの専門チームにもご協力を頂きました。このような唯一の素晴らしいプロジェクトに巡り合えたこと、そして黒木ご夫妻はじめ素晴らしいプロフェッショナル・チームに心より感謝いたします。
こどもとおとなのクリニック「パウルーム」が多くのこどもとおとなに愛される場所であってほしいと願っています。
美矢子ナイルツ一級建築士事務所 / MIYAKO NAIRZ ARCHITECTS代表、一級建築士
早稲田大学建築学科卒業後、米国ペンシルバニア大学大学院にて建築学修士取得。オーストリア・ウィーン在住。オーストリア・日本にて建築事務所主宰。ウィーンを基盤に日本を始め25都市以上で、住宅・商業・公共建築の設計・デザインを手掛ける。
実績・作品:https://www.miyakonairz.com/ja/
図書室プロデュース
横山 寿美代
パウルーム図書室の図書プロデュースのお話をいただいた時、まず、ここは誰のための図書館であるのかを考えました。
それは、もちろんパウルームを訪れる患者さんであり、その患者さんのために最も良い環境を整えようとなさっている黒木院長先生、秀子先生にほかなりません。
その意図に沿って、理想的な蔵書コレクションを構築することが大切です。
パウルーム図書室では、小さい人から中高生まで対象の本を、文学中心にそろえています。また、松山バレエ団と縁の深いクリニックとして、バレエに関係する本もコレクションしています。
そしてここは「読書へのアニマシオン」活動の場でもあります。小さいながらも図書館管理システム(ブレインテック「情報館」)を備えている、大いに発展の余地のある図書館です。
是非皆様に活用していただきたいと思います。
青山学院大学経営学部卒業。経営情報システムについて学び、在学中よりプログラマー、システムエンジニアとして働く。一念発起して通信教育で司書資格取得。2003年より調布市学校図書館専門嘱託員として中学校、小学校で勤務。その後、杉並区立小学校で学校司書となり今に至る。
白百合女子大学、鎌倉女子大学、成蹊大学非常勤講師(司書教諭課程、学校司書のモデルカリキュラム課程科目担当)。シリーズ絵本「いこうよ がっこうとしょかん」全4巻(少年写真新聞社、2019〜2021年)監修。任意団体学校図書館プロジェクトSLiiiC(スリック)代表。