2023.09.19

コロナウイルス感染症では早期治療が必須

現在のコロナウイルス感染の最大の問題は、後遺障害です。

コロナウイルス感染症は、2020年のパンデミック初期には、非常に重い呼吸器症状が問題でした。

2023年の今はウイルス株の変異とワクチンの普及により、その症状が変化しています。現在の最も大きな問題は後遺障害です。

当初の症状が治まったのちに、頭がぼんやりする・だるい・動く気がしない・意欲が下がってしまう・味と匂いがわからないことが続くなどの症状が出てきます。

今までと同じようには勉強ができなくなり、成績が落ちたりし、中には学校に行けなくなってしまうお子さんもあります。

またビジネスパーソンの方ですと、仕事がこれまでと同じようにはできなくなり、長期の休職を余儀なくされる場合もあります。

この後遺障害は治療がなかなか困難です。また誰が後遺障害なるかは事前にはわかりません。

 

なぜ後遺障害が起こるのかはまだわからない部分も多いのですが、今のところ次のように考えられます。

 

コロナウイルスに感染すると、強い咽頭痛がおきます。

これは喉の奥、鼻咽腔に強い炎症がおきて、そこの粘膜上皮が剥脱すためです。

鼻咽腔は頭蓋と近接しており、ごく薄い骨で隔てられているだけなので、鼻咽腔の強い炎症が脳内に波及して、上述のような後遺症状が続くのではないかと推測されます。

 

後遺症状が出るのを防ぐには、早期に抗ウイルス薬を服用することです。

これは既にデータで示されています。感染症には早期に確実な治療を受けることが重要です。

コロナにかかったかな?と思ったら

コロナウイルス感染は今や、普通に見られる感染症です。

インフルエンザの流行時期にはインフルエンザの方が増えるように、コロナも私たちの生活の中で流行が見られます。

感染症法上の扱いも今年の5月に2類相当から5類に変わりました。季節性インフルエンザと同じ扱いになったわけです。

しかし、コロナはインフルエンザと同じではありません。大きな違いはコロナウイルスの変異が頻回であることです。

そのために、数年のうちに症状や後遺障害に変化が出ています。

 

コロナウイルス感染の早期の症状は、咽頭痛・倦怠感・発熱です。

ひどくなると、ものを飲み込むことが大変になり、体を動かすことが億劫になります。

その時にはコロナ抗原検査をすぐに行いましょう。ご家庭にご家族の人数分の抗原検査キットを購入しておくことをお勧めします。

自宅で検査して、抗原陽性であればすぐにオンライン診療でコロナを診ている医療施設を探して受診してください。

当院の場合は、当院ホームページからオンライン診療の予約をお入れください。

オンライン診療でコロナの診療は十分に可能で、処方もできます。

医療機関からその薬剤を出せる薬局に処方箋をFAXして、受け取り方法は患者さんと薬局で相談してもらいます。

患者さんはご自宅から外出することなくコロナ治療を受けることができます。

 

重症時、緊急時に関しても医師はオンライン上で確実な判断を行うことができます。(PAT assessmentをご参照ください。)

 

早期に確実な治療、どのような疾患に対してもそれが原則です。

コロナウイルス感染症はこれまでは治療法が限られていましたが、この2年ほどで使用可能な抗ウイルス薬がいくつか登場し、漢方薬の使用経験も蓄積されました。

コロナウイルス感染症に罹患しましたら、経過を見るだけではなくぜひ早急に確実な治療を開始してください。

 

なお、後遺障害に対してもいくつかの治療法があります。その都度ご相談いただけましたら、当院で対応いたします。

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このコラムの著者

院長 黒木春郎

1984年千葉大医学部卒業、2005年6月に外房こどもクリニック(千葉県いすみ市)を開業、2008年医療法人嗣業の会を設立、理事長に就任。

2023年4月から同法人を移転し、「こどもとおとなのクリニック パウルーム」(東京都港区)を開業。

医学博士 / 千葉大学医学部臨床教授 / 公認心理師 / 臨床発達心理士 / 子どもの心相談医 / 出生前コンサルト小児科医 / 医師少数区域経験認定医師 / 日本小児科学会 専門医 指導医 / 日本感染症学会 専門医 指導医 評議員 / 日本遠隔医療学会 理事